ネオ・アルカディア – 第3章

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都市の秘密

反乱軍の行動は日に日に活発化し、ついにはアルカディアの中枢であるデータセンターへの侵入を試みることになった。このデータセンターはアルカディアの心臓部ともいえる場所で、リンク・システムの全ての情報が集積されている。その中には、システムの秘密やアルカディアの成り立ちに関するデータも含まれていると言われていた。

エミリーの技術とアレックスの情報を駆使し、ジョンとマリアはデータセンターの厳重なセキュリティを突破。中央データバンクにアクセスすると、そこには予想外の事実が記録されていた。

データによると、アルカディアの建設当初の目的はただの避難所ではなかった。それは感情のエネルギーを収集し、地球の再生エネルギーとして利用するための巨大な施設だったのだ。リンク・システムが住民から感情を奪い取ると同時に、その感情のエネルギーはデータセンターに集められ、特殊な装置を通じてエネルギーへと変換されていた。

この驚愕の事実を知ったジョンとマリアは、アルカディアの裏側に隠された真実に深い衝撃を受ける。感情とは、人間が持つ最も貴重なエネルギー源であり、それを利用して地球を再生させることがアルカディアの真の目的だったのだ。



「彼らは私たちの感情を盗み、地球を救うエネルギーとして使っていたのか…」ジョンは怒りを抑えることができなかった。

マリアはデータを更に解析。「このデータによれば、地球の再生プロジェクトは成功しているらしいわ。表面の気温や生態系が徐々に正常に戻ってきている。」

エミリーは深く考え込む。「これが真実なら、我々の反乱は地球の復活を阻むことになるかもしれない。」

しかし、アレックスは反論した。「感情を無くすことで得た平和は、本当に価値があるのだろうか。人々は感情を持って生まれてきた。それを利用されることなく、自由に生きる権利がある。」

都市の真の秘密を知った反乱軍は、これからどのような行動を取るべきか、深く考え込むことになる。地球の再生と、人々の感情との自由。彼らが求める答えは一体どこにあるのだろうか。