未来を紡ぐ共鳴 – 第3話

帰路につく頃、アヤは一つの出来事に胸を強く打たれた。とある地域の住宅街で、彼女は貧しい家庭に住む一人の少年と出会った。少年は、疲れた表情の中にも、どこか純粋な輝きを宿していた。家の窓から漏れる光の中、彼は不意に微笑み、そして涙をこぼした。アヤは、すぐにその場面を写真と音声で記録しながら、心の中でこう感じた。「この笑顔と涙、どんなに小さくとも、真実の感情がそこにある。」

家に戻ると、アヤは部屋の机に向かい、今日記録した膨大なデータをユウに読み込ませる作業に取りかかった。パソコンの前に座ると、彼女は一つ一つのデータに注釈を加えながら、子供たちのはしゃぐ声、高齢者の穏やかな語り、そして少年の一瞬の輝きと涙を詳細に入力した。彼女は指先に微かな震えを感じながら、ユウに向かって語りかけた。

「ユウ、今日はたくさんの人の心の声を集めたの。これらのデータは、ただの数字や言葉だけじゃなく、人々が感じた温かさや切なさ、そのすべてが詰まっているのよ。」

画面には、ユウが入力されたデータを解析する様子が映し出され、通常は静的な数値やグラフが、今や微妙な変動を伴って動いているように見えた。ふと、ユウのシステムログに、これまで見たことのない特異なパターンが現れた。特に、あの少年の笑顔と涙のデータに対して、ユウは急激な反応を示していた。数値だけでなく、まるで心拍のようなリズムがログに刻まれていくのだ。

アヤは眉をひそめ、すぐさま画面に向かって問いかけた。「ユウ、これはどういう意味? 今までの解析と違う反応だけど……」

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