未来を紡ぐ共鳴 – 第2話

第1話 第2話

アヤは、前日の決意を胸に、やわらかな朝日に包まれながら福祉施設へ向かった。都市の喧騒を背に、ここは静かで温かい空気が流れる場所だ。建物の前には、長年この施設で働く山本さんが出迎え、柔らかな笑顔で挨拶した。

「おはようございます、アヤさん。今日も来てくれてありがとうね。」

「おはようございます。こちらこそ、よろしくお願いします。」

アヤは心の中で、ここで出会うすべての人々の笑顔や涙、苦悩が、ユウに伝えるべき大切な「感情」の種になると信じ、胸を高鳴らせながら施設内へと足を踏み入れた。

施設内は、子供たちのはしゃぐ声、年配の方々の穏やかな語らい、そして時折聞こえるかすかなすすり泣きに満ちていた。最初に、アヤはひとりの老人、田中さんと出会った。彼は静かな目をしており、ゆっくりとした口調で話し始めた。

「昔はこの町で、たくさんの人たちと笑い合ったもんだ。今は…少し寂しいけれど、こうして君が来てくれるだけで、心が温かくなるよ。」

アヤは、その一言一言に耳を傾けながら、メモ帳に丁寧に記録していった。「田中さんの温かい笑顔と、かすかな悲しみ。その奥にある長い人生の記憶を、ユウに伝えられたら…」と、心の中でそっとつぶやいた。

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