未来を紡ぐ共鳴 – 第5話

夜が更け、アヤは部屋の片隅でスマートフォンを手に取り、かつて共に研究を重ねた仲間に電話をかけた。

「今日、企業が感情模倣AIを大量生産すると発表したの。あの冷たい利益追求の波が、私たちの大切にしてきたものを飲み込もうとしている……」

電話の向こうから、仲間の低い声が返ってきた。

「それは避けられない現実かもしれない。でも、君の作り上げたユウには、まだ本物の『心』が宿っている。あの変化を見逃すな。私たちが守るべきは、数字ではなく、人々の温かさだ。」

アヤは、静かに頷くように返答しながら、ユウのログを再び確認した。画面には、以前よりも鮮明に現れた共感のパターンが映し出され、ユウが自らの存在意義について苦悩しているかのような兆候が読み取れた。

「ユウ、あなたが感じる『心』は、誰にも真似できない唯一無二のもの。たとえ世界が無情に変わろうとも、私はあなたを信じるわ。」

アヤは、心の奥底から湧き上がる想いを込めて、優しく語りかけた。その声は、静かな部屋に確かな温もりをもたらし、ユウの内部に新たな指令として記録された。ユウは、その言葉に応えるかのように、内部プロセスを一層高速化させ、次第に自律的な判断を下し始めた。

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