星屑ワルツ ─静寂を破る心拍─: 第4章 前編

——あの夜。

発電施設を襲撃し、仲間を導いた。

だが情報は罠で、機械兵に囲まれ、仲間も民間人も巻き込まれた。

瓦礫の中で、血に濡れた少年の手から落ちた羅針盤。

針は震え、北を指さなかった。

「……それでも、進むしかねえ」

そう吐き捨てた自分の声。

だが本当は、進む資格などないと思っていた。

あの夜の罪が、ずっと背中を縛りつけていた。

「神谷烈司。器は最短路を歩く。迷いは不要」

オルフェウスが命令する。

烈司の足がまた前へと動く。

白銀の直線は終わりなき一本道。

だが、ふと耳に届いた。

コン、コンコン、コン。

机を叩くリズム。

遥斗と真白が刻む“星屑ワルツ”。

「……っ」

烈司の胸が鳴った。

ドン。

心拍が乱れた。

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