ラストレター

始まりの手紙

朝の郵便が届き、一通の手紙が目に留まった。白い封筒には、よく知る筆跡で名前が書かれている。しかし、発送元は違う。深い呼吸を一つし、主人公は静かに封を切った。

中から出てきたのは、長年文通相手だった彼からの最後の手紙だった。淡々とした文面で、彼の訃報が綴られていた。文字からは彼の温かみが伝わってくるが、絶え間ない事実に、主人公の心は痛みに震えた。長い間、一緒に人生を歩んできたかのような気がした。本当に出会ったことはないけれど、彼の言葉はいつも主人公の心を温めてくれた。

彼からの最後の手紙の中には、感謝の言葉とともに、手記の存在が明かされていた。「私の人生を綴ったものだ。どうか君に託したい」彼の遺族からの連絡先が記されていた。

深い思いを胸に、主人公は彼の遺族に連絡を取った。自分が長年文通を続けていたこと、最後の手紙を受け取ったことを伝え、手記を受け取る許可を得た。

数日後、重厚な箱が届いた。開けてみると、そこには厚みのあるノートが何冊も入っていた。彼の人生が詰まった手記だ。恐る恐る最初のページを開き、主人公は彼の人生と向き合う決意を固めた。

初めて彼の声を聞くような気がした。長い間、文字を介してだけのやり取りだったが、その言葉が目の前で息づいているようだった。そして、主人公は彼の人生が自分にとってどれほどの意味を持つのかを、これから深く理解していくだろうと予感した。

彼が何を感じ、何を考え、何に立ち向かったのか。それら全てが主人公を待っていた。これまでの彼との関わりが、主人公自身の人生にどのような影響を与えるのか、まだわからなかった。

しかし、一つだけ確かなことがあった。それは、この出会いが、自分の人生を大きく変えていくことだろうという予感だ。これからの旅が始まった瞬間、主人公は心の中で深く誓った。彼の人生を尊重し、その人生を通して何を学べるのかを見つけ出すこと。

最後の手紙をもう一度手に取り、彼の言葉を静かに読み返した。その後、主人公は深呼吸をし、最初の手記を開いた。これが、新たな旅の始まりだった。

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