星の涙 – 第3話

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冷たい朝霧が門柱を淡く包み込む中、桜は背中に小さな布袋を背負い、孤児院の重い門をそっと押し開けた。木島先生が真新しいお守りをリュックの肩ひもに結びつけながら、低い声で告げる。

「桜、どこへ行くにも君の味方だよ。気をつけてね」

薄く微笑む桜は、砂利を踏みしめる音を聞きながら深くお辞儀をした。

門の外では、他の子どもたちが小さな手を振って見送っている。

「行ってらっしゃい!」「帰ってきたらまた遊ぼうね!」

その声に、桜はほんの少し胸が温かくなる。けれど、瞳の奥には決意が宿っていた。

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