氷の王国の謎 – 最終話

結末:「伝説の背後に隠された真実」

氷の王国での激しい戦闘と、水晶の奇跡的な力を目の当たりにしたエリカは、その力がどれほど強大で危険なものであるかを理解していた。水晶の力は、人の欲望や欲求に応じて形を変え、時には破壊的な力となることもある。永遠の命を得るという力を持つことは、人間にとっても大きな試練となりうる。

彼女は、仲間たちとともにキャンプを設け、水晶の力とその存在について話し合った。「この水晶が外の世界に知られることは、新たな争いの種となるだろう。」ロバートが警戒した。

ユキコも頷いた。「人々はこの力を手に入れるためなら、どんなことをしてもいいと思うかもしれない。」

エリカは深く考え込んだ。祖父が伝えたかった真実、それは「永遠の命を授ける力は、人の手に渡るべきではない」ということだったのかもしれない。



「私たちが知ったこの秘密、この王国と水晶は、再びこの氷に閉ざされるべきだ。」エリカが決意を固めた。

彼女は、氷の王国の入口にある大きな石碑の前に立ち、古代の呪文を唱えた。すると、氷の壁がゆっくりと動き始め、王国は再び外界から隠された。

エリカたちは、外の世界に戻り、氷の王国の伝説と、そこに秘められた真実を伝える決意をした。しかし、彼らは水晶の具体的な場所やその力の詳細を語ることはなかった。それは、再び欲望に駆られる人々の手が伸びないように、そして祖父の意志を尊重するためだった。

伝説は、次世代に伝わり、エリカの名は「真実を知った最後の冒険家」として語り継がれた。彼女の冒険は、人々に大切なメッセージを伝え、真実の価値とは何か、そして人としての責任について考えさせることとなった。

第1話 第2話 最終話

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