モンスターストーン – 第1章: 第2話

「な、なんだこれは…!」その瞬間、頭の中が真っ白になり、耳鳴りが響いた。慶太郎の体はその場で硬直し、足元から力が抜けていくのを感じた。視界が揺れ、周囲の景色がぼやけていく。彼はどうすることもできず、その場で膝をつき、そのまま気を失ってしまった。

気がつくと、慶太郎は見たこともない真っ白な空間に立っていた。どこを見ても果てがないような白一色の世界。足元の感触もない、まるで重力さえ存在しないかのような不思議な感覚だった。「ここは…どこだ?」慶太郎は周囲を見渡しながら、状況を理解しようと頭を働かせたが、答えは出ない。

その時、突然目の前に人影が現れた。長身で美しい女性の姿だった。彼女はまるで金属のような光沢を放つ髪を持ち、深い金色の瞳で慶太郎を見つめている。その瞳には何か神秘的な力が宿っているように感じられた。

「妾(わらわ)はアウルム。お主の体、借りるぞ。」女性はそう言い、冷ややかでありながらも威厳を感じさせる口調で告げた。

「えっ…?」慶太郎はその言葉に混乱し、言い返すこともできずに口を開けたまま立ち尽くした。「どういうことだ?体を借りるって…?」

しかし、アウルムと名乗るその女性はそれ以上何も言わず、淡々とした表情のままゆっくりと姿を消していった。彼女が消えると同時に、真っ白な空間が急速に暗くなり、慶太郎の視界が再びぼやけていく。

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