だが、リモートワークの導入により、社内のコミュニケーションには変化が生じていた。今までのように直接圧力をかけることができなくなったタカシは、社員たちとの距離感に違和感を覚える。リモートという環境では、彼の支配力が以前ほど強く感じられず、社員たちがリラックスし始める兆しが見えた。これはタカシにとって大きなストレスとなり、彼のゾンビとしての不安定さを助長する要因となった。
しかし、同時にタカシは、リモートワークという環境が自分にとっても新たな可能性をもたらしていることに気づき始める。社員たちが自主的に仕事を進め、意外にも効率的に業務が進んでいることに驚きを覚えた。「直接指示を出さなくても、彼らはやれるのかもしれない…」タカシは初めて、社員たちに任せることの重要性を感じ、自分の管理スタイルを見直す必要性を考えるようになった。
リモートワークという新たな環境で、タカシは少しずつ変化していく。ゾンビとしての自分を受け入れつつ、社員たちにバレずに社長業を続けるため、彼はこれからの毎日が「サバイバル」であることを自覚し、新たな挑戦に向けた覚悟を決めた。ゾンビ化とリモートワークという二つの困難に立ち向かいながら、タカシは次なる試練に備える。
第１話 第２話
