アクアリアの宮殿の広間は、成人の儀式のために一層華やかに飾られていた。巨大なシャンデリアが天井から吊り下げられ、その光は透明なドームを通して、宮殿全体を照らしていた。多くの人々が集まり、セリアのこの大切な日を祝福しようとしていた。
セリアは、エリナと共にドレッシングルームで、特別に作られたドレスに身を包んでいた。ドレスは、深い海の色を反映するかのように、深海藍の色で、その裾からは小さなパールがちりばめられていた。
“セリア様、本当にお似合いです。” エリナは感激の涙を浮かべながら言った。
セリアは鏡を見つめながら、”ありがとう、エリナ。でも、このドレスを着るのは、本当に私でいいのだろうか…”と、再び不安を抱える気持ちを口にした。
エリナはセリアの手を取り、”セリア様、あなたはアクアリアの未来を担う素晴らしいプリンセスです。どんな不安も、民たちの愛とともに乗り越えることができますよ。”と、励ました。
その後、セリアは宮殿の中庭へと進んだ。中庭には大きな噴水があり、その周りには多くの民や役職員が集まっていた。彼らは皆、セリアの姿を待ちわびていた。
セリアが中庭に現れると、大きな拍手と歓声が上がった。彼女は、民たちの前に立ち、深々と頭を下げた。王、セリアの父、は彼女の隣に立ち、”我が愛する娘、セリアが成人の儀式を迎えるこの日、私たちは彼女の未来を祝福し、アクアリアの未来を託したいと思います。”と、宣言した。
セリアは、王の言葉に胸が熱くなり、”父上、そして、愛するアクアリアの民たち、私はこの王国と皆様の未来のため、全力を尽くして参ります。”と、力強く言った。
儀式は、セリアが王家の紋章を持つ杖を手に取り、王国の守り神、大きな海の竜に祈りを捧げることから始まった。海の竜は、アクアリアの守護神として、王国の平和を守り続けてきた。
セリアは、噴水の前に立ち、杖を高く掲げた。すると、噴水の水が一気に高く上がり、その中から、巨大な海の竜が現れた。竜は、セリアの目の前に顔を近づけ、彼女の頭を軽く撫でるように触れた。これは、竜がセリアを認め、彼女の成人を祝福する証だった。
しかし、その平和な瞬間は長くは続かなかった。突如、宮殿の外から大きな爆発音が響き、宮殿が揺れ動いた。
“何が起こったのか!?” 王は大声で叫んだ。
セリアの心臓が高鳴る中、彼女は民たちや役職員たちを守るため、即座に行動を起こすことを決意した。そして、この未知の脅威と向き合うため、彼女は自らの運命に立ち向かうことを決意した。
この爆発の背後には、セリアがまだ知らない大きな闇が潜んでいるのだった…
