従魔の心 第4章: 絆の力

「私たちはここで戦うつもりはありません。私たちの従魔は、戦いの道具ではなく、大切なパートナーです。今から見せるのは、従魔たちの真の力、それは治癒と自然を癒す力です」とカイは堂々と宣言し、周囲の従魔使いたちに向けてその言葉を投げかけた。

競技が始まると、カイは従魔たちと共に、病んでいる植物を癒やすデモンストレーションを行った。彼の従魔たちは、傷んだ木々に触れることで、枯れ葉を緑鮮やかなものに変え、枯れた花を再び咲かせた。

観客たちはその光景に驚愕し、会場は拍手と歓声で包まれた。他の従魔使いたちも、戦闘だけが従魔の使い道ではないことを理解し始め、カイの行動に感銘を受けた。

「見て、ミコ。みんなが私たちのメッセージを理解してくれたようだね」とカイは微笑みながらミコに語りかけた。ミコも嬉しそうに鳴き、カイの足元で跳ねた。

祭りの日が終わる頃、カイと従魔たちは新しい友情と敬意を得ていた。彼らの非戦闘的なアプローチは多くの従魔使いたちに影響を与え、従魔との真の関係を再考させるきっかけとなった。

その夜、カイは従魔たちと共に静かに会場を後にした。彼らの心には、共に過ごした一日の成功と、新たに築いた多くの絆が深く刻まれていた。この日の経験が、彼らの旅の新たな章を飾ることになるとは、まだ誰も知らなかった。

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