第1話: 未知の扉
ミリアはその朝、いつも通り古びた図書館の扉を開けた。彼女は図書館の司書助手として働いているが、何よりも彼女をここへ引き寄せるのは、書物が秘める無限の冒険への誘いだった。図書館は古く、多くの秘密を抱えており、まだ発見されていない物語が隠されているかもしれないと、ミリアはいつも思っていた。
その日は特に何も予定がなく、彼女は新しい本の整理とカタログの更新をすることにした。だが、古典文学のコーナーで作業をしていると、偶然、壁の一部が不自然に凹んでいるのを見つけた。好奇心が彼女を動かし、そっと手を伸ばして壁をたたいてみると、不思議なことに壁がゆっくりと動き出した。壁の後ろには隠し扉があり、その扉は古い鍵がかかっていた。
ミリアの心は高鳴った。この図書館で働き始めてからずっと、新しい発見を夢見ていた。彼女は扉を開けようと試みたが、鍵がかかっていてなかなか開かない。そこで、彼女は自分のデスクに戻り、古い鍵が入っているかもしれない引き出しを探し始めた。
デスクの奥から一つの錆びた鍵を見つけ出すと、再びその扉へと戻った。鍵を差し込み、少し力を入れて回すと、ギシリという音と共に鍵が回り、扉が開いた。その瞬間、彼女の目の前に広がったのは、薄暗い階段とその下に広がる広大な書庫だった。