その声は低く、力強く、同時にどこか不気味な響きを持っていた。雄介は何が起きているのかわからず、ただその声に耳を傾けるしかなかった。
「私はヘルゼウス。かつてこの地に封印された者だ。お前の命を救い、力を与えよう…だが、その代わりに私の魂を受け入れるのだ…」
雄介は一瞬、何を言われているのか理解できなかった。だが、目の前の状況を考えると、その声に従う以外に選択肢がないことは明らかだった。絶望の中で、雄介はその声に答えた。
「分かった…助けてくれ…」
その瞬間、彼の体が異様な光に包まれた。体中に力がみなぎり、先ほどまで感じていた恐怖が一気に消え去った。雄介は驚きの中で、自分の中に何か強大な存在が宿ったことを感じ取った。
「これで良い…我が力を使い、この状況を打破するのだ…」
ヘルゼウスの声が再び響き渡り、雄介はその言葉に従った。彼は目の前の怪物に向かって手をかざし、無意識のうちに力を解放した。次の瞬間、怪物は眩しい光に包まれ、消滅していった。
周囲が静寂に包まれた時、雄介は自分が何をしたのか理解できずに立ち尽くしていた。だが、彼の中には確かな力が宿っていた。そして、これが彼の運命を大きく変える第一歩となることを、雄介はまだ知らなかった。
第1話 第2話



















