ヘルゼウスの言葉に、雄介は一瞬たじろいだが、その欲望は止まらなかった。彼は自分の力をさらに高めるために、ヘルゼウスの助言を求めるようになった。ヘルゼウスは、雄介が望む限り力を貸すと言い、その結果、雄介はますますその力に溺れていった。
そして、次第に彼は自分の行動がエスカレートしていくのを感じた。力を使うことが快感になり、その力で他人を支配することで満足感を得るようになった。学校でも、雄介に逆らう者は誰もいなくなり、彼は次第に孤立していった。
だが、雄介はその孤独さえも恐れることはなかった。むしろ、彼はそれを力の象徴として受け入れた。孤高の存在として、彼はさらに強大な力を求め続けた。ヘルゼウスとの契約を通じて手に入れたこの力を、もっと引き出し、誰にも屈することのない存在へと変貌するために。
「俺はもっと強くなる…」
雄介は誰にも聞こえない声でそう呟き、力の渦中に身を委ねた。彼はすでに、かつての自分に戻ることはできなかった。そして、これからもその力の道を突き進むことを決意した。
雄介の力の覚醒は、周囲に恐怖をもたらすと同時に、彼自身の内面にも変化をもたらし始めていた。彼はもはや、無力な少年ではなかった。だが、その力の代償がどれほどのものになるのか、雄介はまだ知る由もなかった。
