歌う井戸 – 第伍話

闇を照らす歌

夜の闇の中、井戸の周りで戦う陸と純。暗闇の乙女の力は圧倒的で、彼女の歌声だけで、二人は踵を取られてしまう。しかし、陸の中に宿る特別な歌声の力と、過去の乙女たちの魂の力を借りて、彼は暗闇の乙女の誘惑を拒絶し、純とともに立ち向かう。

純は、かつての秘密基地である木の下へと二人を誘導する。その木の根元には、小さな祠があり、そこには乙女たちの守りの歌声が刻まれていた。陸はその歌声を純に教え、二人でその歌を歌い始める。

「さあ、歌おう。愛と希望の歌を…」

その歌声は、井戸の暗闇を打ち破り、希望の光を放つ。暗闇の乙女は、その光に驚き、二人の前から消え去る。

しかし、彼女はすぐに再び姿を現し、更に強大な力で陸と純に襲い掛かる。しかし、陸の母や蘭、そして先代の乙女たちの魂の力を借りて、陸と純は暗闇の乙女の攻撃を跳ね返す。

「なぜ、お前たちは私を倒そうとするのか…」

暗闇の乙女は、涙を流しながら、二人に問いかける。

「私も、ただ愛を求めて、この井戸の中で歌を歌っていただけなのに…」

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