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第15話: 忘れ去られない記憶
数年が経過し、アユミとヨシオはそれぞれの道を歩みながらも、かつての友人カズキの思い出を胸に刻んでいた。ある穏やかな春の日、二人は再会し、かつて共に過ごした時間について語り合う約束を果たしていた。
彼らが選んだ場所は、公園の一角にある静かなカフェだった。コーヒーの香りが漂う中、二人は久しぶりに顔を合わせ、心温まる笑顔を交わした。
「ヨシオ、もう何年になるね。カズキがあの選択をしてくれてから。」アユミが会話を切り出した。
「うん、早いもので数年が経つ。カズキのおかげで今の俺たちがいる。彼がいなければ、今こうして話していることもなかったかもしれないな。」ヨシオが静かに応じる。
「本当にそうね。カズキの勇気が私たちに新しい人生をくれたわ。」アユミの声には感謝の意が込められていた。
会話の中で、アユミはカズキからの最後の手紙を取り出し、二人で読み返した。その手紙には、カズキの異界での体験と、彼らへの深い愛と願いが綴られていた。