第11話: 異界の探索
カズキは勇敢にも異界への門をくぐり、その足が異世界の地を踏むと、目の前に広がるのは現実とは全く異なる風景だった。そこは奇妙な色彩に満ちた空間で、地面は波打つように動き、空は静かなる暗闇に包まれていた。不安と恐怖が彼の心を支配する中、カズキは友人ヨシオとアユミを見つけ出すために前進した。
探索を始めて間もなく、カズキは自らの声が虚空に吸い込まれるような感覚に襲われる。そのとき、遠くから人影が一つ、彼に向かってふらふらと歩いてくるのが見えた。近づくにつれて、その姿がアユミであることが確認できた。
「アユミ！」カズキが呼びかけると、アユミは重い足取りで彼に近づき、かすれた声で応えた。「カズキ…、こんなところに来てしまったのね。」
二人は抱き合い、アユミは異界の影響で自身の体が変化してしまったことをカズキに説明した。「この世界、私たちの体を徐々に変えてしまうの。もう、元の世界には戻れないかもしれないわ。」
カズキはアユミの肩を抱き寄せ、彼女の安全を確認した後、ヨシオの行方を尋ねた。「ヨシオはどこにいる？彼もここに来てるんだ。」
