夜の囁き – 第4章: 2

美咲も同じく全力で呪文を唱え続けた。二人の声が一つになり、家中に響き渡った。怨霊は激しく抵抗しながらも、次第にその力を失い始めた。

「もう少し…!」健一は叫びながら、お守りをさらに強く振りかざした。

「負けないで…!」美咲も全力で声を上げた。

その瞬間、怨霊は最後の叫び声を上げ、次第に消えていった。冷たい風が収まり、家の中には再び静寂が訪れた。健一と美咲は深い安堵感を感じ、互いに抱きしめ合った。

「やった…やったわ!」美咲は涙を浮かべながら喜びの声を上げた。

「これで終わったんだな…」健一も同じように涙を浮かべながら答えた。

二人はしばらくその場に座り込み、互いの無事を確認し合った。怨霊が消え去ったことで、家の中には再び平和が訪れた。

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