静かなる救済 – 第2楽章

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公園の不意の出会い

公園の木々は、新緑の季節を迎えていて、柔らかな日差しが木漏れ日となって地面を照らしていた。ユウキは公園のベンチに座り、目を閉じながら、かつて愛した曲のメロディを口ずさんでいた。彼の声は柔らかく、公園内の小鳥たちのさえずりと調和して、美しいハーモニーを奏でていた。

そのメロディを耳にした少女が、公園の入口から足早にユウキの方へと歩いてきた。彼女の名前はミナ。彼女の瞳は純粋で、そして何よりも音楽に対する好奇心に満ちていた。

ユウキは目を開けると、彼の前に立つミナの姿を見つけた。彼女は彼のメロディに引き寄せられたのだろう、ユウキの目を真っ直ぐに見つめていた。

「あの、その…メロディ…きれい…」彼女の言葉は途切れ途切れで、特定の単語を言うのに苦しむようだった。しかし、彼女の瞳には感謝と喜びが溢れていた。

ユウキは驚きながらも、彼女の姿勢や言葉に心を打たれた。「ありがとう、ミナさんね?」彼はやさしく微笑んだ。



ミナは頷きながら答えた。「はい、ミナです。あなたの歌、もっと聞きたいです。」

公園のベンチに並んで座った二人は、お互いの物語を語り合った。ミナは幼い頃から失言症で、特定の言葉や場面で言葉が出てこないことがあると告白した。それにより、学校や友人関係にも悩んできたという。しかし、彼女は音楽に救われたとも語った。曲やメロディは、彼女にとって言葉以上の意味を持っていたのだ。

ユウキも、彼の過去や音楽との関係、そして事故後の心の葛藤をミナに打ち明けた。二人の間には、お互いの痛みや喜びを共有する独特の絆が生まれていた。

夕暮れ時、公園を後にする二人。ミナはユウキに手を振りながら、約束を交わした。「また、ここでメロディを聞かせてくださいね。」

ユウキは彼女の背中を見送りながら、心の中で応えた。「もちろん、ミナ。そして、あなたの物語も聞かせてほしい。」

この出会いが、二人の新しい物語の始まりとなることを、まだ彼らは知らなかった。

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