静かなる救済 – 第2楽章

心の扉を開く時

二人の関係は、初めて公園で出会った日から、徐々に深まっていった。共通の趣味である音楽を中心に、それぞれの過去や夢、恐れや希望について語り合う日々が続いた。公園のベンチは、彼らにとって特別な場所となり、多くの時間を共に過ごす場所となった。

ある日、夕方の公園で、ユウキは彼の心の中に秘めていたことをミナに打ち明けることに決めた。彼の声は震えていたが、ミナの優しい瞳に励まされながら、彼は言葉を紡いだ。「実は…私、ピアニストだったんだ。でも、ある日、事故に遭って左手を失い…もう、あの大好きだったピアノの音を奏でることはできなくなったんだ。」

ミナの表情は驚きで固まったが、すぐに温かな微笑みに変わった。「ユウキさんが奏でる音楽は、心からのものだと感じていました。その背景を知ることができて、私は嬉しいです。」

ミナの言葉に励まされ、ユウキは涙を流しながら彼女の手を握った。「ありがとう、ミナ。」



その後、ミナも彼女の秘密をユウキに告げることになった。「私、失言症なんです。言葉を正しく話せないことがよくあります。それが原因で、昔は友達との関係にも悩んでいました。でも、音楽を通じて自分の気持ちを伝えることができることに気付き、それが私の救いでした。」

ユウキはミナの告白を聞きながら、彼女の勇気と強さに感銘を受けた。「ミナ、君の言葉はとても美しいよ。そして、君の音楽には、言葉以上の力がある。」

二人は、お互いの秘密や欠点を知ることで、より深い絆で結ばれるようになった。それぞれの過去や弱さを受け入れ、支え合う関係は、彼らの心の中で特別な場所を占めるようになった。

日が暮れる頃、公園を後にするユウキとミナ。二人の関係は、互いの秘密を共有することで、新たな一歩を踏み出すことができた。

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