にじいろのうさぎと魔法の森 – 後編

 リスの兄弟は長いしっぽで地面や枝をととのえようとします。ふくろうは高い木の上から周囲を見回し、いちばん危険なところをみんなに教えます。子鹿やその親鹿は、丈夫な葉っぱをたくさんかかえて巣や枝を覆って守ろうとしました。さらに、くまが大きな体で幹を支えて、風で揺れる木を支えます。

「ぼくも、光の玉で作業を照らすよ! これならみんなが安全に動けるよね」

 モモは雨の中、光をやわらかく灯して仲間たちの手元を明るくしました。リスがあちこち走り回って折れかけた枝を運び、ふくろうは「そっちは大丈夫かい?」と夜目のよさを活かして巣の場所をチェックします。子鹿たちも「葉っぱはまだまだいっぱいあるよ!」と声を上げながら、一生懸命に走り回ります。みんなが心をひとつにして協力したおかげで、折れかけた木はなんとか倒れずにもちこたえ、動物たちの巣も守られました。

 やがて嵐がゆっくりと遠のいていきました。空の雲が晴れて、朝の光が少しずつ森を照らしはじめます。倒れた木の枝や葉っぱはたくさんありましたが、動物たちに大きなケガはなく、ほっと胸をなでおろしました。すると、大きなくまがにっこり笑って、モモに声をかけます。

「モモ、みんなを助けてくれてありがとう。だけど、ぼくらも役に立ててうれしかったよ」

 リスの兄弟も言いました。「そうだね。困ったときは誰かにまかせっきりじゃなくて、自分たちも力を出し合えば、こんなに大きな嵐だって乗りこえられるんだね!」

 ふくろうは首をくるりと回しながら、ゆったりと話しました。「ぼくたちはこれまで、なんでもモモの魔法まかせで助けられていた。でも、みんなの力を合わせれば魔法以上のことができるんだ。いい勉強になったねぇ」

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