「わ、わ、こんなに大きな嵐になるなんて聞いてないよ!」
「木が折れそうだ、早くなんとかしなくちゃ!」
あっちでもこっちでも悲鳴や叫び声があがります。モモは「ぼくの魔法でなんとかならないかな」と思い、空に向かって光の玉を投げてみました。けれども、自然の力のほうがはるかに強く、雨も風もおさまる気配はありませんでした。枝が大きくしなったかと思うと、ばきっと音をたてて折れてしまい、巣が今にも吹き飛ばされそうになります。
「だめだ…ぼくの魔法じゃ、こんな大きな嵐にはかなわない」
はじめてモモは自分の無力さを感じました。これまでは魔法でなんでもできると思っていたのに、自然の前ではちっぽけな存在であることを思い知らされたのです。しょんぼりとうつむくモモに、今まで助けてもらった動物たちが駆け寄ってきました。
「モモ、落ちこんでる場合じゃないよ。ぼくたちにも、手伝えることがあるはずだよ!」
「そうさ、ぼくたちだってやれることはある。いっしょに考えよう!」


















