にじいろのうさぎと魔法の森 – 後編

「わ、わ、こんなに大きな嵐になるなんて聞いてないよ!」

「木が折れそうだ、早くなんとかしなくちゃ!」

 あっちでもこっちでも悲鳴や叫び声があがります。モモは「ぼくの魔法でなんとかならないかな」と思い、空に向かって光の玉を投げてみました。けれども、自然の力のほうがはるかに強く、雨も風もおさまる気配はありませんでした。枝が大きくしなったかと思うと、ばきっと音をたてて折れてしまい、巣が今にも吹き飛ばされそうになります。

「だめだ…ぼくの魔法じゃ、こんな大きな嵐にはかなわない」

 はじめてモモは自分の無力さを感じました。これまでは魔法でなんでもできると思っていたのに、自然の前ではちっぽけな存在であることを思い知らされたのです。しょんぼりとうつむくモモに、今まで助けてもらった動物たちが駆け寄ってきました。

「モモ、落ちこんでる場合じゃないよ。ぼくたちにも、手伝えることがあるはずだよ!」

「そうさ、ぼくたちだってやれることはある。いっしょに考えよう!」

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