にじいろのうさぎと魔法の森 – 後編

 モモはうれしそうに、そして少し照れくさそうに耳を動かしました。

「みんな、ありがとう。ぼくは魔法があるからきっとなんとかなるって思ってた。でも、今日みんなといっしょにがんばって、魔法じゃかなわないことがあるってわかったし、助け合うことでずっと大きな力を出せるって気づいたよ」

 そのとき、空にひとすじの光が差しこんできました。濡れた葉っぱがきらきら輝き、森の奥には虹がかかっています。その虹は、まるでモモの体のように七色に美しく光っていました。モモはその虹を見つめ、ふと笑顔になります。

「これからは、ぼくだけがんばるんじゃなくて、みんなで知恵をしぼって手を貸しあえばいいんだね。そうすれば、この森はもっと幸せでいっぱいになるよ」

 モモのにじいろの毛並みと、空にかかった虹がいっしょになって、森をいっそうきれいな色で包みこみます。そこにいる動物たちみんなが笑いあい、「力を合わせて助け合う大切さ」を心の中でかみしめました。

 こうして、にじいろのうさぎとなったモモは、これからも魔法の森のなかで光り輝きながら、動物たちといっしょに暮らしていきます。魔法があってもなくても、仲間と協力し合う心があれば、どんな困難も乗りこえていける――モモのやさしくあたたかい気持ちは、虹色の光となって、いつまでも森のすみずみを照らしていました。

前編

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