遺跡がさらに揺れ、富士原とチームは完全に閉じ込められてしまった。通路は完全に塞がれ、出口は見当たらない。しかし、その中で彼らは絶望せず、生きるために必要な情報を探し続けた。
山口は中村と佐藤の病状を見守り、富士原と田中は遺跡内部を調査していた。その間も新たなヒエログリフを見つけ、石板に記された情報を解読し続けた。
その中で、田中がまた新たなヒエログリフを発見した。それは「生命の水」のヒエログリフと同じものだった。そして、それは一つの方向を示すもので、その先に何か大切なものがあることを示していた。
富士原は田中の解読結果を聞き、その方向に進むことを決めた。しかし、その方向は崩れた通路の先であり、進むためには新たな道を掘り進める必要があった。
富士原は手元の道具を使い、石と土を掘り進めた。その作業は困難を伴い、時間もかかった。しかし、彼は決して諦めず、一生懸命に道を開くことに集中した。
そして、ついに彼は新たな空間に到達した。それは大きな石室で、中央には美しく輝く水が満たされた井戸があった。
富士原はその井戸に近づき、水を見つめた。その水は普通の水とは違い、透明度が高く、特別な光を放っていた。それはまるで「生命の水」そのものであるかのようだった。
富士原はその水を試しに手に取り、医学者の山口に渡した。山口はその水を分析し、その結果を皆に報告した。
「これは普通の水ではありません。何か特殊な成分が含まれています。これが未知の病を治す可能性があります。」
その言葉に、チーム全員は安堵の表情を浮かべた。それは彼らが苦労の末に見つけた希望の光だった。しかし、その喜びも束の間、再び地震が起こり、遺跡全体が揺れ動いた。そして、その揺れで、石室の天井が崩れ、石が次々と落ちてきた。
その石の一つが富士原の足元に落ち、彼の足を挟んでしまった。彼は痛みに苦しみながらも、自分の足を挟んだ石を移動させようとした。しかし、その石は大きく重く、彼一人ではどうすることもできなかった。
その時、彼の元に全員が駆けつけた。それぞれができるだけの力を振り絞り、石を移動させようとした。そして、ついにその石は動き、富士原の足が解放された。
しかし、その足は大きな傷を負っており、富士原は立つことすらできなかった。彼は床に座り込み、皆を見つめて言った。
「私はもうこれ以上進むことはできない。だから、皆にお願いがある。この水を持って、中村と佐藤に届けてほしい。」
その言葉に、全員は驚きの表情を浮かべた。しかし、その中で一人、田中が前に出てきて言った。
「分かりました、富士原先生。私たちがその役目を果たします。」
そして、全員は富士原の願いを叶えるために、再び動き始めた。それぞれが新たな困難と向き合い、彼らの冒険はさらに深みへと進んでいった。