影の季節 – 第2話

影の中の真実

冷たい風が頬を撫でる中、樹は自らの絵をじっと見つめていた。絵の中の風景や建物、小道や川の流れ。それぞれが、村のどこかに実在する場所を示していることに彼は気づいていた。なぜ彼がこんな場所を描いたのか、それは彼にもわからなかった。しかし、絵に描かれた情景が彼を何かに導くことは確かだった。

最初に、樹は絵に描かれた古い祠を訪れた。祠は村のはずれ、森の奥深くに存在していた。祠の前には、小さな石碑が立てられており、その碑文には「美しさを求めし者たちの魂を鎮める場所」と刻まれていた。祠の中には、数々の供物が置かれており、その中心には古びた絵が掛けられていた。その絵には、美しい女性たちが描かれ、その背後には深い洞窟の入口が描かれていた。

樹は絵を手がかりに、次に廃墟となった家を訪れた。家の中は時の流れを感じさせるもので、古い日記や書物が放置されていた。日記には、村の先祖が美しさを求め、呪術によって永遠の美しさを手に入れたことが綴られていた。しかし、その代償として、彼らは若い女性を犠牲にしなければならなかった。



そして、絵に描かれた最後の手がかり、山の洞窟を探し当てるために、樹は山へと足を運んだ。夕暮れ時、太陽が山の背後に隠れると、絵と同じような洞窟の入口が目の前に現れた。洞窟の中は冷たく、奥へと進むにつれて、微かな光が灯されていた。

洞窟の奥にたどり着いた樹は、氷のような透明な柱の中に、失踪した女性たちが美しく永眠しているのを発見した。彼女たちは、まるで眠り姫のように、美しさを保ったままの姿で、永遠の時を過ごしていた。そして、その中には雪乃の姿もあった。

樹は彼女たちがどのようにしてここに来たのか、また、呪術によって永遠の美しさを得たのかを知るために、洞窟の奥に置かれた古びた書物を手にとった。書物には、美しさを求めるあまり、先祖たちが呪術を用い、女性たちを犠牲にした過去の罪が綴られていた。

樹は彼女たちを助ける方法を探し、ついに書物に書かれた解呪の方法を見つける。彼はその方法に従い、失踪した女性たちを救い出す決意を固めたのだった。

第1話 第2話

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