「大沢さん、またいらっしゃったんですね。」
「少し気になる点がありましてね。早坂さんの失踪について、まだ確認したいことがあります。」
真知子は陸を席に案内すると、お茶を入れる手を止めて彼の話に耳を傾けた。
「監視カメラに不審な男が映っていたんです。この映像について、何か心当たりはありませんか?」
陸はカバンから監視カメラの静止画を取り出し、真知子に見せた。
真知子は写真をじっと見つめ、少しの間沈黙していた。彼女の表情は微妙に硬直し、何かを思い出そうとしているようだった。
「この男……どこかで見た気がします。でも、思い出せません。ただ、怜子さんのことをしつこく追いかけている人がいると聞いたことがあります。」
「追いかけている? 誰かから聞いたんですか?」
「ええ、怜子さん自身が話していました。最近、不審な人影を見かけることが増えたと。」
陸はその言葉を聞いて、怜子が抱えていた不安がどれほど深刻だったかを改めて感じた。


















