異世界図書館の新守護者~私の魔法書は無限!~ – 第1話

主人公・綾は、現代日本のとある都市に住む、普通の大学生だった。彼女の日常の中で唯一特別と言える部分は、彼女の深い愛情が注がれている数々の書籍たちだった。彼女の部屋の棚は、学問の知識から小説、さらには古代の文献や詩まで様々な本で埋め尽くされていた。

大学での授業が終わると、彼女の足は自然と近くの図書館や書店へと向かっていた。特に、古書店巡りは彼女の小さな楽しみの一つであった。その日も、綾は昼下がりの暇を利用して、街の古書店に立ち寄った。店内は古い木の香りと、黄ばんだページから放たれる独特の匂いで満たされていた。彼女はゆっくりとその間を歩き、何冊かの古書を手に取っては内容を確認していた。

そして、その中で彼女の目に留まったのは、黒く古びた革で覆われた一冊の本だった。その本の表紙には、金色のインクで「未知の知識」という文字が刻まれていた。興味を引かれた彼女は、その本を開こうとしたその瞬間、目の前が突如として真っ白になった。



気がつくと、彼女は見たこともない、無限に広がる巨大な図書館の中にいた。天井は見上げる限りの高さにあり、その壮大さに彼女はしばらく言葉を失った。床から天井まで続く書棚には、数え切れないほどの書物が整然と並べられていた。

図書館の中心には、大きな円形の台があり、その上には古代の賢者を思わせる、長い白髪と白いローブを身に纏った老人が立っていた。彼の名はエルドラ。彼の深い瞳は、何千年もの時間を生き抜いた者のものだと、綾は感じた。

エルドラは綾に微笑みかけ、静かに話し始めた。「君の名は綾、ね。ようこそ、この無尽蔵の知識の宝庫へ。私はこの図書館の管理者、エルドラ。君が手にしたあの本は、新たな守護者をこの場所へと導くためのものだった。そして、その守護者とは、君自身だ。」

綾は驚きと興奮の入り混じった気持ちで、自分が選ばれた理由や、これからの役目についてエルドラから詳しく話を聞くこととなった。彼女の新しい生活が、この無限の図書館で始まるのだった。