神獣の力、少女の勇気:異世界で花開く絆 – 第1章

美穂は東京の小さなアパートで生活していた。大学の動物学部に通いながら、週末は地元の動物園でアルバイトをしていた。彼女の部屋は、ペットのウサギやハムスター、多くの動物のフィギュアやポスターで溢れていた。

「ゆきちゃん、今日も元気だね。」美穂はウサギのケージに手を伸ばし、その小さな頭を撫でた。ゆきはその手を求めるように、鼻をぴくぴくと動かしていた。

ある日、大学の授業で珍しい動物の映像を見ていた美穂は、その動物が自然の中で生き抜く姿に心を奪われていた。彼女の心の中で一つの夢が芽生えた。それは、未知の動物たちとの出会い、そして彼らの生態を研究するという夢だった。

ある週末、美穂はアルバイトの帰り道、公園で一休みすることにした。ベンチに座り、頭上の空を眺めると、無数の星が輝いていた。彼女は何度かこの公園で星を眺めてきたが、今夜の星空はいつもとは違う美しさを放っていた。

その時、突如として明るい光が彼女を包み込んだ。目を閉じると、彼女の心の中に一つの声が響いた。「新たなる力を持つ者よ、異世界への扉が開かれる。」

美穂が目を開けると、彼女はもう公園のベンチには座っていなかった。広大な草原が目の前に広がり、遠くには巨大な山々が連なっていた。驚きのあまり立ち上がると、彼女の足元には小さな生物がぴょこぴょこと跳ねていた。

それは、彼女がこれまでに見たことのない、鮮やかな羽根を持つ小鳥のような生物だった。彼は美穂の方を向いて、頭をかしげながらじっと見つめていた。

「君は…?」美穂は驚きの声をあげながら、その生物に手を伸ばした。

すると、その生物は美穂の手に飛び乗り、彼女の肩に留まった。美穂は彼の柔らかな羽根に触れながら、彼との新たな絆を感じた。