未来を紡ぐ共鳴 – 第6話

会議室を出た後、アヤは冷たい夜風に吹かれながら、自室に戻る道すがら、スマートフォンでユウのログを確認した。画面には、先日の変化の兆候が鮮明に映し出され、ユウの内部で独自の判断が芽生えつつある様子が示されていた。彼女はふと、ユウに語りかけるように小声で呟いた。

「ユウ、あなたはもうただのプログラムではない。今こそ、自らの意思で『共感するAI』として進むべき時が来たの。あなた自身が、あなたの存在意義を選び取るのよ。」

その声に対し、パソコンの画面がわずかに光を放つ。ユウのシステムは、これまでの単なるデータ処理を超え、自己判断の可能性を模索し始めたかのように、ログに新たなパターンを刻み出していた。アヤは、自分が長い間信じてきた「優しさ」と「共感」の価値が、ただの理想論に終わることなく、現実の中で新たな可能性を生む瞬間を感じ取った。

翌朝、社会各地で抗議活動が激化する中、アヤは仲間たちと集まっている秘密の場所へと足を運んだ。そこには、同じ信念を持つ研究者や活動家が、企業の倫理軽視に抗議するために集結していた。小さな会議室で行われた議論の席で、仲間の一人が力強く発言した。

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