星屑ワルツ ─静寂を破る心拍─: 第2章 後編

「意識活動を抑制します」

冷たい声が重なる。だが、遥斗は負けなかった。

過去の痛みが、今は武器になる。

翌日。任務の列に並んだ時、遥斗は一人の影を見た。

筋肉質の体、鋭い目つき。だがその奥に、制御しきれない火花が散っていた。

神谷烈司。

都市に逆らった戦士のなれの果て。

歩調を揃えながらも、その一歩一歩は爆ぜるように重い。

遥斗は、かつての彼の姿を断片的に思い出した。

——発電施設を襲撃した夜。

仲間が倒れ、民間人の悲鳴が響く中、烈司は割れた羅針盤を拾い上げた。

針は北を指さず、震え続けていた。

「それでも、進むしかねえ」

血に濡れた顔で吐き捨てるように言った彼の声は、今も耳の奥に残っている。

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