研究施設の場所を特定したソフィアとマークは、車を走らせながらそれぞれの期待と不安を共有した。広がる道路は二人を過去へと誘うかのように、彼女の父の影を追い続けた。マークは時折、ソフィアに励ましの言葉を投げかけながらも、内心ではこの探索が何を引き起こすかを懸念していた。
施設に到着すると、彼らは老朽化した門を前に立ち止まった。かつては父の研究の成果が世界に誇られた場所も今はただの影、風が吹き抜ける廃墟のみが彼らを出迎えた。ソフィアは深呼吸をして、マークと共に崩れかけた壁を乗り越え、施設の敷地内へと足を踏み入れた。
施設内は荒れ放題で、自然が建物を取り戻そうとしていた。彼らは廃墟となった研究棟へと向かった。ソフィアは父がかつて歩いたであろう廊下を進むと、不思議と心の中に落ち着きを覚えた。彼女には、父が近くにいるような感覚さえあった。
研究棟の一室に辿り着くと、ソフィアはそこが父のオフィスだったことを直感した。彼女は父のデスクに向かい、引き出しを開けた。中にはノートが一冊、彼女は手に取るとノートに記された日付に目を留めた。それは父が亡くなる数日前のものだった。
ノートのメモからは、父が何かに急かされるようにして研究を進めていたことが伺えた。そして、最後のページには、彼が自らの命を絶ったと思われる日付と共に、「真実は常に光の中にある」という言葉が記されていた。
