星の涙 – 第3話TwitterFacebookはてブLINEコピー2025/05/06第1話 第2話 第3話冷たい朝霧が門柱を淡く包み込む中、桜は背中に小さな布袋を背負い、孤児院の重い門をそっと押し開けた。木島先生が真新しいお守りをリュックの肩ひもに結びつけながら、低い声で告げる。「桜、どこへ行くにも君の味方だよ。気をつけてね」薄く微笑む桜は、砂利を踏みしめる音を聞きながら深くお辞儀をした。門の外では、他の子どもたちが小さな手を振って見送っている。「行ってらっしゃい!」「帰ってきたらまた遊ぼうね!」その声に、桜はほんの少し胸が温かくなる。けれど、瞳の奥には決意が宿っていた。次へ 123