「こうなったら最後の手段だ!」翔太は意を決して叫んだ。
「こんなアプリを作った俺自身が嘘だった!」
瞬間、翔太の体が半透明になり始める。
「おい、翔太消えそうになってるぞ!」祐介が焦る。
友人たちは必死になって「翔太は実在する!」と叫ぶが、アプリは無反応。
「どうしよう、翔太が消えちゃう!」
その時、祐介がとっさに機転を利かせてアプリに向かって叫んだ。
「翔太は嘘つきだ!」
すると翔太の体は元に戻ったが、周囲の視線は一気に冷たくなった。
「ちょっと待てよ!俺の評判が完全に下がったぞ!」翔太は嘆く。
周囲の嘘が現実になった世界は元に戻らず、犬はしゃべり続け、校長はダンサーを続け、授業は休講のまま。
翔太はそれ以来、「嘘つき翔太」という不名誉なあだ名で大学生活を送ることになった。
キャンパスで祐介が苦笑しながらつぶやく。
「お前、来年のエイプリルフールは大人しくしてろよ」
翔太はため息をつき、アプリをゴミ箱に投げ捨てた。



















