ヘルゼウスは、人間の想像を絶する巨大な姿をしていた。彼の体は黒い霧のようなオーラに包まれ、無数の赤い瞳がその中に光っていた。彼が歩くたびに大地は裂け、彼が息を吐くたびに嵐が巻き起こる。その力は一撃で都市を消し飛ばし、数十万人の命を瞬時に奪うことができるほどだった。
人類はヘルゼウスの出現に恐怖し、彼の力に抗うことができないまま次々と国が崩壊していった。政府は総力を挙げて対策を講じたが、ヘルゼウスの圧倒的な力の前に全ての試みは無力だった。通常の兵器や戦術はもちろん、最も強力な魔法使いの力でさえ、彼には傷一つつけることができなかった。
だが、絶望の中で、最後の希望として選ばれたのは、ある一つの計画だった。それは「封印計画」と呼ばれ、ヘルゼウスを永遠に封じ込めるための大規模な作戦だった。世界中から最強の魔法使いが集められ、彼らの持つ力を結集して、ヘルゼウスを異次元の空間に封じ込めることが計画されたのである。
封印計画は、地球上で最も神聖な場所とされた山岳地帯にある古代遺跡で行われた。その遺跡は、かつて存在した文明が残したものであり、強力な魔法の力が宿っていたと言われている。そこに集められた魔法使いたちは、各国の最高指導者たちの期待と恐怖を一身に受け、ヘルゼウスを封じるために最も強力な結界を張る準備を進めた。
そして決戦の日が訪れた。ヘルゼウスは遺跡に誘い込まれ、魔法使いたちは全力を尽くして彼を封じ込めるための儀式を開始した。数日間に及ぶ激しい戦闘が繰り広げられ、魔法使いたちは自らの命を削りながら、少しずつヘルゼウスの力を封じ込めていった。だが、その過程で多くの魔法使いが命を落とし、遺跡の周囲には無数の屍が積み重なった。
