最終的に、ヘルゼウスは封印された。彼の巨大な体は消え去り、異次元に送り込まれたことで、この世から姿を消した。人類は、ついに最悪の脅威を退けたのだった。しかし、その代償は計り知れなかった。封印の儀式を行った魔法使いたちの大半が命を落とし、彼らの犠牲によって辛うじてヘルゼウスを封じることに成功したのである。
ヘルゼウスが封印されてから40年が経過した。次元の亀裂は次第に消え去り、人類は再び平和を取り戻した。だが、魔法という力はもはや一般的なものとなり、ほとんどの人々が何らかの形で魔法を使えるようになった。かつての恐怖は過去のものとなり、今や魔法は日常生活の一部となっていた。
しかし、全てが平穏であったわけではない。かつてヘルゼウスを封印した遺跡は、その後も厳重に監視され続けていた。何故なら、その封印が風化し、再びヘルゼウスが目覚める危険が常に存在していたからである。封印の維持は最も重要な任務とされ、最も強力な魔法使いたちがその守護に当たっていた。
だが、時は流れ、封印の力も徐々に弱まり始めていた。それを知る者は少なく、ヘルゼウスの脅威が再び世界に降りかかる日が近づいていることに気づいている者はいなかった。しかし、物語の舞台となる遺跡の地下深くで、かつての最強の悪魔は今も静かに目覚めの時を待っていた。
こうして、次の世代に受け継がれる運命の歯車が再び動き出すのであった。
