学校最弱の俺は最強の悪魔の力を借りて最強に成り上がる – 第1話

50年前、世界はかつてない恐怖に包まれた。突如として世界各地に現れた「次元の亀裂」と呼ばれる謎の穴から、次々と未知の存在が溢れ出した。それは悪魔と呼ばれる存在で、地獄のような姿を持ち、何の前触れもなく人間界に降臨した。初めてその存在を目の当たりにした人々は、圧倒的な恐怖と絶望に打ちひしがれた。悪魔たちは、家々を焼き払い、都市を破壊し、無差別に人間を襲い始めたのだ。

その時、悪魔の出現に対して人類は全く無力だった。科学技術は全ての手を尽くしたが、銃弾もミサイルも、悪魔の肉体には何の効果ももたらさなかった。無敵の存在と化した悪魔たちは、抵抗する人々を次々と引き裂き、喰らい、世界各地を阿鼻叫喚の渦に巻き込んでいった。政府は混乱し、国連は機能不全に陥り、国境や民族の違いを超えた全人類共通の敵が現れた瞬間だった。

だが、その絶望の中で、一筋の光が差し込んだ。それは、ある日突然人々の中に目覚めた「魔法」という力だった。初めはごく一部の者だけに現れたその力は、超常的な能力を持つものであり、悪魔たちに対抗する唯一の手段となった。魔法を操る者たちは「魔法使い」と呼ばれ、彼らは悪魔との戦いの最前線に立つことになった。

魔法使いの力は多様で、火を操る者、水を操る者、さらには空間を歪める者や、時間を一時的に止めることができる者まで存在した。彼らの登場により、人類は次第に悪魔との戦いにおいて反撃の糸口を見つけることができるようになった。各国政府は魔法使いたちを集め、軍隊に組み込み、悪魔の討伐に全力を注ぐこととなった。

しかし、それでもなお、悪魔たちは凄まじい力を持ち続けていた。彼らは次々と現れ、その数は増え続けた。そしてある時、人類は最悪の存在と遭遇することになる。地球のあらゆる生命を脅かす、圧倒的な力を持った悪魔が出現したのだ。その名は「ヘルゼウス」。彼の出現は、これまでの悪魔とは全く異なる次元の恐怖をもたらした。