歌う井戸 – 第肆話

魔物は怒りに満ちた声で陸に問いかけるが、彼は平然とそれを受け止め、再び歌い始めた。彼の歌声は、魔物の歌声を圧倒し、次第にその力を弱めていった。

そして、ついに魔物の姿は消え、井戸の中からは青白い光が消え去った。陸はその場に崩れ落ちると、蘭の魂が彼の前に現れた。

「ありがとう、陸。私たちの歌声は、再び村を守ることができる。」

蘭は微笑みながら言い、その姿もまた消え去った。

夜が明け、櫻村は再び平和を取り戻した。陸は井戸の前で目を覚まし、村人たちに感謝される中、彼はただひとつ、蘭の魂と再会できたことに感謝していた。

彼の母の遺品、古びた日記は、再び封をされ、村の秘密として守られることとなった。そして、陸は、蘭や彼の母の歌声を受け継ぎ、次の世代にその歌声を伝えることを誓った。

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