「それじゃあ、そこに行ってみるしかないな。ヨシオ、一緒に来てくれないか？」
ヨシオは少し考えた後、快く答えた。「わかった。それがアユミのためになるならね。」
二人は翌日の朝、旧病院へ向かうための準備を整えた。カズキは必要な機材を車に積み込み、ヨシオは古い地図と関連する文献を持ってきた。旧病院は都市の外れに位置しており、多くの噂が絶えない場所だった。そのため、二人は多少の危険が伴うことを覚悟していた。
車を走らせる間、カズキはヨシオにアユミとの過去を語った。大学時代、三人で夢に向かって努力していた日々。アユミがどれだけ情熱を持って伝説の研究に没頭していたか。そして、彼女が突然消えたことに対する疑問と不安。
「アユミが何にそこまで引き込まれたのか、本当にその門が存在するのか。それを確かめたいんだ。」
ヨシオは深くうなずき、二人の旧友を救うための冒険が、ただの伝説探しで終わらないことを予感していた。彼らはそれぞれの思いを胸に、旧病院へと向かう車内で静かな決意を新たにした。これから訪れるであろう未知との遭遇に備えながら。
