第1話 第2話
赤の精霊:愛と情熱
火山地帯への旅は困難だった。山の斜面は急で、随所に熱い溶岩が流れていた。しかし、リアは祖父の日記に書かれたヒントを頼りに、赤の精霊が住むとされる場所を目指して進んだ。
ついに、リアは火山の頂上近くの一つの洞窟の入口を見つけた。洞窟の中は暖かく、赤い光が輝いていた。その光の中央には、美しい女性の姿をした精霊が座っていた。彼女の髪や瞳、ドレスまで全てが燃えるような赤色だった。
「あなたは…赤の精霊?」と、リアが尋ねると、精霊は優しく微笑んで答えた。「そう、私は愛と情熱の象徴、赤の精霊よ。あなたがここを訪れることを、すでに感じていたわ。」
リアは勇気を振り絞り、町の色が失われたこと、そして色を取り戻すために彼女が旅をしていることを話した。赤の精霊はリアの話を静かに聞き、その後深く考え込むように目を閉じた。
「愛と情熱は、人々の心を燃やし、彼らを動かす力よ。あなたの心にも、この町の人々を思う愛と情熱が溢れている。その真心を感じ取ったからこそ、私はあなたに力を貸すことができる。」
言うなり、赤の精霊は手を伸ばし、リアの手に小さな瓶を渡した。その瓶の中には、燃えるような赤色の絵の具が入っていた。
「これを使って、町に愛と情熱の色を取り戻して。」と、赤の精霊は微笑んだ。リアは感謝の言葉を述べ、赤の絵の具を大切に胸に抱きしめながら、次に向かう場所へと足を進めた。