錆びた鍵の音楽 – 第2話

錆びた伝説

町の片隅にひっそりと佇む古書店「モーリスの書房」。その店内は、古びた書籍や地図、手紙などで溢れかえっていた。店内の空気は静かで、時が止まったかのような雰囲気が漂っている。中央の長机には、老舗の店主モーリスが読書をしていた。

リディアはこの店を訪れ、鍵や音楽に関する古い伝説や文献を探していた。彼女の目に留まったのは、革装丁の古びた本「鍵と時の伝説」。彼女はその本を手に取り、中をめくる。その中には、錆びた鍵の伝説と、それに関連する古いメロディや楽譜が描かれていた。

「これは…!」リディアの目が輝く。この本に記された伝説は、ある特定の鍵を使って時を超えることができるというもの。そして、その鍵を操作するための楽譜が、本の最後のページに描かれていた。

彼女は興奮を隠せず、モーリスにその本の出所を尋ねる。「これは、数十年前に山間の村から持ち込まれたものだよ。誰もが忘れ去られた伝説として、この店の奥に眠っていたんだ。」モーリスの言葉に、リディアは更なる興奮を覚える。

彼女はその本を購入し、急いで自らの研究室へと戻った。部屋に入ると、彼女はアルトゥーロの楽譜と、古書店で手に入れた「鍵と時の伝説」を机の上に広げ、照らし合わせる。やがて彼女は、アルトゥーロの楽譜の中に、この伝説の楽譜と同じリズムやメロディを発見する。

「これは一体…アルトゥーロはこの伝説を知っていたのか?」彼女は独り言のようにつぶやく。そして、その楽譜を弾いてみることに。彼女の指が鍵盤を滑ると、部屋には美しいメロディが響き渡る。その音楽の中には、時を超える力が宿っているような感覚があった。

リディアは、この伝説の真実や、アルトゥーロとの関連性を追い求めることを決意する。彼女の探求の旅は、更に深い謎へと進んでいくのだった。

第1話 第2話

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