古書店の秘密 – 第2話

影からの追手

美雨が「紙の旅人」の古書の中に散りばめられたヒントを探りながら、昭夫の過去に関する多くのことを知ることができた。昭夫が守り続けてきた秘密は、戦時中の日本政府の内部に深く関わっていた。この情報は、戦後の日本において、政治や経済に大きな影響を与える可能性があった。

彼女は祖父の日記に書かれている暗号をひとつひとつ解読していく中で、その内容が非常に重要な情報であることを悟る。それは、戦時中の特定の政府関係者の不正や裏取引に関するものであり、公になれば多くの関係者の命運を揺るがす内容であった。

昭夫の突然の死。それは自然死とされていたが、美雨は何者かが昭夫を黙らせるために彼を殺害したのではないかとの疑念を抱き始める。日記の暗号に隠された情報が、昭夫の死の真相を解明するカギとなることは間違いないと信じていた。



ある日、美雨は古書店の外で不審な男を目撃する。彼は店の入り口を何度も伺っていたが、中に入ることはなかった。美雨は直感的に、この男が祖父の死と何か関連しているのではないかと感じ取る。

夜、美雨は店の裏手で男を再び目撃する。彼は何かを探しているようだった。美雨は勇気を振り絞り、男に声をかける。「何を探しているんですか?」と質問すると、男は驚きの表情を見せる。彼は「君が美雨か?」と尋ねてきた。

その男の名は佐藤という。彼はかつて昭夫と共に何らかの活動をしていたという。美雨は、佐藤から昭夫の過去と、彼が守り続けてきた秘密について詳しく聞かされる。

昭夫は、戦時中の政府の裏の顔を知る数少ない人物の一人であり、その情報を持っていたため、何者かに命を狙われていたことが判明する。佐藤は、昭夫が持っていた情報を手に入れるために来ていたが、美雨の誠実さに触れ、彼女に真実を教えることを決意する。

二人は協力して、昭夫の死の背後に潜む真相を解明することを決意する。美雨は、祖父の遺志を継ぎ、真実を明らかにするための戦いを始めることとなった。

第1話 第2話

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