聖夜に注ぐレクイエム – 12月25日

怜子の話を聞き、陸と片桐は「レクイエム」の意味を改めて考え直した。その楽譜に隠されたメッセージが、10年前の火災事故の真相を指し示していることは既に分かっていた。しかし、それが何故真犯人にとって脅威だったのか。

「鐘の音と、この曲……それが彼らの計画に関係しているはず。」

怜子はピアノに向かい、譜面を広げた。そして、一音一音を丁寧に弾き始めた。そのメロディは荘厳でありながらも、どこか悲しみに満ちていた。

片桐が楽譜を見ながら、怜子の演奏を追う。すると、ある部分で片桐が声を上げた。

「ここだ! この音符の並び、場所を指している!」

「場所だと?」

陸が詰め寄ると、片桐は譜面に記された隠しメッセージを指さした。

「この組み合わせは、教会の地下室を示している可能性があります。」

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