「それならば、私が君にそのチャンスを与えてあげよう。君は死んだ幼馴染と同じ異世界に転生することができるんだ」
神は、嬉しそうに言った。
「異世界……？」
俺は、呆然と言った。
「そうだよ。君の幼馴染は異世界で悪役令嬢として転生しているんだ。彼女は王子の婚約者であるが、王子は魔王の娘であるヒロインに惹かれており、彼女を虐げているんだ。君は彼女を救うために異世界に転生することができるんだよ」
神は、詳しく説明した。
「悪役令嬢……？王子……？魔王……？」
俺は、頭が混乱した。
「どうだ？君は異世界に転生して幼馴染と再会したいと思わないか？」
神は、期待に満ちた目で俺を見た。
「……」
俺は、しばらく考えた。俺は、みさきと再会したいと思っていた。しかし、異世界に転生するというのは、あまりにも非現実的だった。それに、悪役令嬢として転生しているみさきを救うというのも、難しそうだった。
しかし、俺は、みさきに会いたかった。彼女の笑顔をもう一度見たかった。彼女に謝りたかった。彼女に告白したかった。
「……わかった。異世界に転生する」
俺は、決心した。
「よく言ってくれた。では、君は幼馴染の兄である騎士団長として転生することになるよ。君は強くて優しい騎士であり、幼馴染を守るために王子や魔王と対立することになるんだ。君は幼馴染の兄として彼女を救うことができるよ」
神は、喜んで言った。
「幼馴染の兄……？騎士団長……？」
俺は、驚いて言った。
「そうだよ。君は異世界で新しい人生を始めるんだ。では、行ってらっしゃい」
神は、手を振って言った。
「え……？待って……」
俺は、神に止めるように言ったが、もう遅かった。部屋が再び光に包まれ、俺の意識が遠のいていった。
「みさき……俺は君のところに行くよ……」
俺は、最後にそう呟いて、眠りに落ちた。
