第二章 異世界で幼馴染の兄になる
「レオン！レオン！起きてくれ！」
俺は、慌てた声で目を覚ました。目の前には金髪碧眼の美少女が泣きながら俺の顔を叩いていた。
「あれ……？誰だ……？」
俺は、ぼんやりと言った。
「私だよ！ミリアだよ！レオンの妹だよ！」
美少女は、ミリアと名乗った。彼女は俺の妹だと言っているが、俺には全く覚えがなかった。
「妹……？」
俺は、首を傾げた。
「そうだよ！レオンは私の兄であり、王国最強の騎士団長なんだよ！」
ミリアは、誇らしげに言った。彼女は俺が騎士団長だと言っているが、俺には全くピンとこなかった。
「騎士団長……？」
俺は、呆然と言った。
「レオン……どうしたの？頭を打ったの？記憶がなくなっちゃったの？」
ミリアは、心配そうに言った。彼女の目には涙が溜まっていた。
「記憶……？」
俺は、自分の頭を掻いた。すると、神の言葉が蘇った。
『君は死んだ幼馴染と同じ異世界に転生することができるんだ』
『君は幼馴染の兄である騎士団長として転生することになるよ』
『君は幼馴染を守るために王子や魔王と対立することになるんだ』
そうか……俺は異世界に転生したんだ。そして、このミリアという美少女は、俺の幼馴染であるみさきなんだ。
「みさき……？」
俺は、ミリアの顔をじっと見た。彼女は金髪碧眼で、俺の知っているみさきとは全く違っていた。しかし、彼女の瞳には、みさきの優しさや強さが宿っていた。
「レオン……？」
ミリアは、俺の呼び方に驚いて言った。俺は、彼女の名前を呼んだことがなかったからだ。
「ごめん……ミリア。俺は……」
俺は、どう説明すればいいのかわからなかった。俺は死んで異世界に転生したと言っても、信じてもらえるだろうか？
「レオン……」
ミリアは、俺の手を握って言った。
「何でもいいから話して。私はレオンの妹だから。レオンが困っているなら、私が助けてあげるから」
ミリアは、真剣な表情で言った。彼女の目には、愛情と信頼が溢れていた。
「ミリア……」
俺は、彼女の優しさに感動した。彼女は、どんな状況でも俺を支えてくれるんだ。彼女は、本当に俺の幼馴染なんだ。
「ありがとう……ミリア。俺は……」
俺は、決心した。俺はミリアに全てを話すことにした。俺は死んで異世界に転生したこと。そして、ミリアがみさきであること。
