歩みを進めるうちに、彼らは小さな村落を通り過ぎ、広がる平原の端に位置する古びた石造りの遺跡の存在に気付いた。エリナが興奮気味に言った。
「この遺跡…古代の魔法が封じ込められていると伝えられている場所です。もしかすると、ここに異変の手がかりがあるのかもしれません」
ミカエルは、軽く頷きながら石碑に刻まれた古文様を指差した。
「ここは、かつて偉大な魔術師が遺したとされる碑文だ。解読できれば、今後の道標になるだろう」
ロレンスは、常に慎重な目を光らせながらも、仲間の意見に耳を傾け、
「まずは、ここで少し休息を取り、情報を整理しよう。疑問が多すぎる今、冷静さを保つことが肝心だ」
と提案した。
陽斗は、皆の意見に同意しながらも、胸中に燃える冒険心と未知への期待を感じていた。彼は、自身が持つ領域能力が、今後の試練を乗り越えるための鍵となることを確信していた。
「この道の先には、まだ見ぬ真実がある。皆で力を合わせ、謎に挑み、そしてこの世界の秘密を解き明かそう」
こうして、仲間たちは互いの信頼と決意を新たにしながら、広大な平原を後にして次なる目的地へと向かって歩み出した。彼らの旅は、まだ始まったばかりであり、数多の試練と謎が、これからの道のりに待ち受けているのだった。
