古びた手紙の秘密 – 最終話

カズマは深く息をついて、震えるカップをテーブルに置いた。「こんな年になって、また誰かを本気で想うなんて、自分でも信じられない。だけど、あなたがいなければ、私は一生後悔しながら生きていくことになりそうだ。もう二度と大切な人を手放したくない……それが今の正直な気持ちだよ。」

その言葉に、アカリは涙が浮かんできそうになる。祖母が果たせなかった夢をなぞるような形での恋だと、世間は見るかもしれない。しかし、そんな視線を受け止める覚悟を二人は持っている。カズマもまた、自分の人生に踏み込んできたアカリの存在を真摯に受け止めている。アカリはそっとカズマの手に触れ、彼の指先の温もりを感じた。

数日後、アカリはカズマとともに祖母の墓前を訪れた。花を供え、静かに手を合わせながら、それぞれが祖母に語りかけるように瞼を閉じる。「ばあちゃん、私、後悔しない生き方をしようと思う。あなたが残してくれた想いが、私たちを繋いでくれたんだと思う。」そう心の中でつぶやくと、ふと肩に優しい重みを感じる。隣にいるカズマが、そっと手を置いたのだ。「あの頃の二人には、どうしようもない壁があった。でも今は、あなたが私に再び歩き出す力を与えてくれた。ありがとう。」カズマも墓石に向かってそう語りかける。

タイトルとURLをコピーしました