未来を紡ぐ共鳴 – 第2話

その後、施設のスタッフである山本さんは、ここでの日々の様子や、利用者一人ひとりの思いを優しく語ってくれた。「この場所には、言葉にできない感情がたくさんあるんです。喜びも、悲しみも、みんなの心が織りなす大切な物語ですよ。」

アヤは、その言葉に深くうなずきながら、ふと自身の決意を改めて感じた。すべてのデータは、単なる数字や記録ではなく、生きた感情そのものだと。

午後になると、施設内の子供たちが集まる遊びの時間が始まった。元気いっぱいに走り回る子供たちの中、一人の小さな女の子が、突然涙をこぼした。遊びの中で大切なおもちゃを壊してしまい、寂しさと悔しさが一瞬にして顔に浮かんだのだ。アヤはすぐにその子のもとへ駆け寄り、そっと肩に手を置いた。

「大丈夫だよ。みんな、時には失敗するし、それが成長の一部なんだよ。」

女の子は、アヤの優しい言葉に少しずつ心を開き、再び微笑みを取り戻した。その笑顔は、どんなに小さな奇跡のように、アヤの胸に深く刻まれた。

活動が終わると、アヤはその日の出来事を一つ一つ思い返しながら、持ち帰った記録を整理するために自宅の小さな部屋へと戻った。部屋の中は、パソコンと手書きのメモ、録音機器、そして撮影した写真や動画で溢れていた。彼女は、今日出会った人々の表情や声、そして何気ない瞬間に垣間見えた感情を、慎重にまとめ始めた。

パソコンの前に座り、アヤはそのデータをひとつひとつ入力していった。「ユウ、今日の記録を君に見せるね。田中さんの優しい笑い声、山本さんの温かな言葉、子供たちのはしゃぐ笑顔、そしてあの女の子の涙…」

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