星屑ワルツ ─静寂を破る心拍─: 第3章 前編

痛みが走り、霧の床に一滴の赤が落ちる。

その赤はじわじわと広がり、灰色の部屋に色を取り戻していく。

「ノイズ検知……強度上昇。即時削除を実行」

オルフェウスの声は冷たいが、わずかに焦りを帯びていた。

遥斗は叫ぶ。

「無駄が……俺たちの余白だ!」

心拍が跳ね、呼吸が乱れた瞬間、霧の中に星が一粒、きらりと灯った。

それはまだ小さく、脆い。

だが、確かに“消せない光”だった。

戦いは始まったばかり。

遥斗とオルフェウスの、存在そのものを懸けた死闘が。

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