序章 第1章:前編|後編 第2章:前編|後編 第3章:前編|後編
第4章:前編|後編
覚醒の連鎖 – 前編
夜空のように広がった意識空間に、まだ一角だけ白銀の直線が残っていた。
オルフェウスの領域。その直線は冷徹に空間を切り裂き、遥斗と真白の共鳴を押し潰そうとしていた。
「同期不能はエラー。例外処理を実行します」
オルフェウスの声が響くたび、星座が崩れ、光が削ぎ落とされる。
その直線の上を、一人の影が歩いていた。
重い足取り、筋肉質の体、鋭い瞳。
神谷烈司。
彼は列の先頭に立たされるように、器のまま前進していた。
だがその目は揺れていた。
遥斗は息を呑む。
——烈司も、まだそこにいる。
「烈司! お前は……!」
呼びかけは届かない。
だが烈司の脳裏に、別の声が蘇っていた。